酒粕あまざけ 温かい一杯

豆じお

新潟県糸魚川(いといがわ)市は日本海に面し、日本アルプスが迫る山間部では、冬になると深い雪に包まれます。
そんな厳しくも豊かな自然環境の中で育まれてきたのが、渡辺酒造の「根知男山」純米大吟醸の酒粕です。

酒粕は日本酒を搾る際に生まれる副産物です。
その背景には、 **「大地と水の関係」** が深く関わっています。

糸魚川の山々に降り積もった雪は、長い年月をかけて山肌の奥深くへ沁み込み、
火山岩や堆積岩など多様な地層をゆっくりとくぐり抜けながら、清らかな湧水へと姿を変えます。
この“地層を旅した水”は、程よいミネラルを含んだやわらかな軟水となり、
米の旨みを引き出し、酒造りに良い水になります。

こうして **「大地が磨いた水」** と、糸魚川で育つ良質な米が出会い、
発酵を経て、日本酒「根知男山」とその酒粕が生まれます。
つまり酒粕は、**糸魚川の地質・水・気候が生み出した“土地そのものの味”** ですね。

冬になると、多くの日本酒の産地ではこの酒粕を使って甘酒をつくります。
甘酒には大きく2種類あり、

* 米麹からつくるもの
* 酒粕からつくるもの

がありますが、新潟で親しまれているのは **酒粕からつくる甘酒** です。

雪国の冷たい空気の中でいただく酒粕甘酒は、身体の芯からじんわりと温まり、
やさしい甘みと深い香りが広がり、冬の風物詩として長く愛されています。
加熱するとアルコール分はかなり抜けるため、普段お酒が弱い方でも飲みやすく、
寒い季節の“ちいさなごちそう”として、家庭に欠かせない飲み物です。

**「美味しいお米 × 美味しい水 × 雪国の寒さ × 発酵」**
糸魚川の甘酒には、この4つがそろっています。
まさに、糸魚川の大地と暮らしが生んだ、温かい一杯です。

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